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平成17年第2回定例会(第2日目) 名簿 2005-06-15
平成17年第2回定例会(第2日目) 本文 2005-06-15

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  1. 仙台市議会 2005-06-15
    平成17年第2回定例会(第2日目) 本文 2005-06-15


    取得元: 仙台市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-24
    1:          ────────○────────     午後一時開議 ◯議長(柳橋邦彦)これより本日の会議を開きます。  本日の日程は、お手元に配付いたしました議事日程第二号に記載のとおりであります。          ────────○────────     日程第一 会議録署名議員の指名 2: ◯議長(柳橋邦彦)日程第一 会議録署名議員の指名を行います。  本日の会議録署名議員には、会議規則第百十条第一項の規定により、西澤啓文君及び野田譲君を指名いたします。          ────────○────────     日程第二 第八十一号議案から第百二号議案まで及び第百五号議案(継続議) 3: ◯議長(柳橋邦彦)日程第二 第八十一号議案から第百二号議案まで及び第百五号議案、以上二十三件を一括議題といたします。  これより、代表質疑に入ります。  通告がありますので、順次発言を許します。  まず、郷湖健一君に発言を許します。     〔四十九番 郷湖健一登壇〕(拍手) 4: ◯四十九番(郷湖健一)私は、会派みらい仙台の郷湖健一と申します。  ただいま真新しい柳橋新議長より発言のお許しをいただきましたので、会派みらい仙台を代表し、今議会に提案されております数点の議案に関連し質問をさせていただきます。  答弁者の藤井市長も、既に任期満了の日も近く引退を表明しているように、今議会が最後の議会になりますことから、三期十二年の数々の実績とその御功績、御労苦に対し、衷心より深甚なる敬意と感謝を申し上げます。市長は、常に市民の目の高さに視点を置き、議会と両輪のごとく歩んでまいられたことは、多くの市民からも認められ、惜しまれる引退でもあります。私も胸が熱くなる思いでございます。  さて、昭和二十年七月十日深夜、大空襲の炎を受けて、仙台のまちが一夜にして廃墟同然と化した悲惨な光景を、いまだに鮮明に記憶をいたしております。  戦後、仙台は、戦災復興とすべての市民が健康で文化的な生活を営むことができる都市建設のため、全力を傾注してまいりました。昭和二十一年に始められた戦災復興土地区画整理事業により、整備された東二番丁などの幅広い道路や勾当台公園等は、従来の城下町の様相を一変させ、近代都市へと再生をする礎となり、無電柱化された主要幹線道路ケヤキ等の街路並木は、今や仙台を代表する美しい都市景観となりました。
     戦災復興の陣頭指揮をとられた第十五代仙台市長の故岡崎栄松氏は、四期にわたり、窮乏する市民の生活安定と、近代都市として発展することが可能な都市基盤の整備に尽力されたことは、市政にかかわる私どもばかりか、豊かになった現在に生きる市民も、そして将来の仙台市民も、しっかりと心に刻むべき史実であります。  当時、仙台砂漠とやゆされ、大きな非難を浴びた青葉通等幹線道路は、六十年の時を経て、仙台発展の基盤として、豊かな潤いを醸し出す都市空間として、未来に引き継ぐべき大切な財産となろうとはだれが想像したでしょうか。希望に満ちた都市の発展を見据え、都市のあるべき姿を市民に示し、大きな困難にも耐える確固たる信念と理念を持って、戦災復興を推し進めてこられた故岡崎市長を初め、多くの関係者の方々に改めて敬意と感謝を申し上げるものであります。  ところで、藤井市長は、平成五年八月に第二十九代仙台市長に就任され、以来十二年にわたり、この仙台の市政を支えてこられました。そして、今、その道を後進にゆだねようとしております。戦後の仙台市長としては初めて、御自身の信念に基づき、市政運営の責任者であるみずからにピリオドを打ち、任期を全うされるわけであります。私は、このことに深い感銘を覚えるとともに、一つの時代が終幕を迎えようとしている寂寥感のような感慨を抱くものであります。  市長の任期は八月まで残されておりますが、恐らくは語り尽くすことのできない十二年という長きにわたる藤井市長仙台市政への御尽力に対し、今この場においてまずもって衷心より感謝の意を表したいと思います。  顧みますと、この十二年間は、歴史的な大転換の時代であります。バブル崩壊後、我が国の経済が長期にわたり下降低迷し、地域経済にも深刻な影響をもたらした時代であります。同時に、国と地方という国家の基礎的な枠組みが従来のままでは立ち行かなくなり、自治体の役割や行財政のあり方を根底から見直すことが求められている時代でもございます。  また、阪神・淡路大震災に始まり、宮城県北部地震新潟中越地震など、地震国日本の宿命を改めて思い知らされ、世界的にはテロや地域紛争、さらには感染症被害が絶えず、国内においても重大な事故や凶悪犯罪が頻発するなど、危機管理やリスクという言葉がこれほど取りざたされ、安全・安心がこれほど希求された時代はいまだかつてございません。  少子化やIT化の急速な進展なども含め、旧来のシステムや価値観ももはや通用しない新しい時代への胎動というものが、先行きの不透明感はあるものの、しかし確実に感じることができる激動の転換期とも言えましょう。  このような、ある意味では戦後の地方行政の歴史の中で最も困難な時代にあって、藤井市長は、ひたすら市民生活の繁栄と安寧を願い、懸命な努力を重ねられて、そしてまた数々の成果を挙げられました。  例えば、地球環境時代をリードする本格的な都市景観政策の展開であります。杜の都環境プラン策定に始まり、指定都市初ISO認証取得、ワケルくんも登場した百万人のごみ減量大作戦、グリーン購入世界会議の開催等々、市長みずから先頭に立ち、そして市民協働を主軸としながら、数多くの本市ならでは取り組みを推進されました。これほど先進的で注目される環境政策を展開した百万都市はないと思っております。それだけに、後ほど触れさせていただきますが、松森工場問題は残念でならないわけでありますが、しかし、これまでの環境政策の足跡は、世界に向かって誇り得るものであることは疑いないところであります。  また、例えば、フィンランド健康福祉センタープロジェクトであります。このプロジェクトは、本市が中央省庁を介さず、直接フィンランド国家と提携するという地方自治体の新しい国際関係のあり方を提示した側面を有し、高く評価されることはもちろん、市民健康福祉の増進と、新産業の創出という将来に向けての二つの命題に対し、融合的な一つの政策で方向性を指し示した、いわば未来への積極的な投資を主体的に実現した点に大きな意義を見出すものであります。  このほかにも数多くの成果が思い起こされますが、今ここでその一つ一つを振り返ることは困難であります。しかし、私なりに総括して申し上げておきたいことは、前市長の事件によって失った市政への信頼、仙台というまち自体の威信、これらを藤井市政の時代において見事に回復したということであり、のみならず市民協働の時代を開き、環境や福祉、文化、産業といった分野において世界的にも注目される都市づくりを進め、まさに21世紀都市・仙台の基盤を構築したということであります。  このことは、今後なお市民の心に刻まれるでありましょう。時を同じくして市政に携わってきた私たち議員も、この点を大いに自負してよいと思います。しかしながら、このことに決して安住することなく、過去を冷静に振り返り、それを糧にさらなる課題を乗り越え、未来に向かって邁進しなければならないことは申すまでもございません。  そこで、市長にお伺いします。  この三期十二年の市政を振り返り、御自身ではどのように総括されておられるのか、そしてまた、仙台市政の未来に向けてどのような課題認識をお持ちなのか、常に客観的に時代をとらえ、冷静な判断を下されている市長から改めて披瀝をいただきたいと思います。  市長は、常々市民の目の高さということを口にされ、信頼と協働を基本に市政運営に当たってこられました。市民の間からは、市民派市長である藤井市長の勇退を惜しむ声も聞かれます。藤井市政を支えてきたのはまさに市民であります。引退の決意を固められた御自身の真情も含め、仙台の未来を託す市民に対し明確なメッセージをお示しいただきたいと存じます。  あわせて、この間報道されている、市政を担おうとしておられる方々の東西線をめぐるさまざまな発言についてであります。  東西線は、本市百年の大計に立った不可欠の事業であり、我々議会として十年以上の長期にわたり、多くの市民の皆様とともに議論を尽くし、調査特別委員会を初め定例会など、各般の機会を通じて慎重なる審議を重ねてきたものであります。まさに市民とともに練り上げて策定された計画であると自負しております。  この事業が国の許可を得て、そして工事施行認可へと手続も終えようというこの段階、そして早期着工に向け市民とともに一丸となって推進しようと向かうべき重要なこの時期に、来月行われる市長選における争点の一つとなるような動きは、議会に身を置く者として甚だ心外に思うわけでありますが、市長の率直な御所見をお伺いいたします。  次に、今回の松森工場トラブルについて伺います。  松森工場は、市民生活に欠かすことのできないごみ処理を、円滑、安全、確実に果たすため、ダイオキシン対策などに万全の設備を備え、国の基準の十分の一という厳しい自主基準を設け、それをクリアする施設として、本年四月より本格稼働する予定でありました。私も地元選出の議員として、地域住民の理解を得るために努力してまいったところであります。ところが、本市への引き渡し前日であります三月三十一日夕刻、一号炉よりばいじんが発生し、緊急停止する事態となり、さらには五月十三日には二号炉、三号炉についても稼働を停止するという異常事態に陥っております。全国、さらには世界の環境先進都市としての誇りを持ち、市民の安心・安全を心より願っている者として、今回の事態はまことに残念きわまりない思いであります。徹底した原因究明と、万全の再発防止策を講じた上で、一日でも早い本格稼働を求める観点から、以下数点につきまして質問いたします。  まず、緊急停止という異常事態の経緯についてお伺いいたします。  松森工場は、最先端の工場として昨年十月より試運転が行われ、以来順調に稼働してまいりました。それが、まさに本格稼働しようという前日にトラブルに見舞われました。半年間も試運転が行われながら、いまだに信じられない思いでありますが、どうしてこのようなことが起こってしまったのか、また、順調に稼働していたはずの二号炉、三号炉が、五月十三日に突然停止に至った経緯についてもあわせて伺います。  松森工場は、環境に及ぼす影響に最大限配慮された施設であります。今後、二度とこのようなことが起こってはなりません。セーフティーネットのあり方が問題であると考えますが、プラント建設者である三菱重工業では、今回起きたトラブルについて市に報告をし、幾つかの改善策を提案しているようでありますが、これらを受けて、市はどのような対応をこれまで行ってきたのか伺います。また、一部には、ダイオキシンを連続して監視できるとして、アメーザという装置の設置を求める声がありますが、このことについてはどうお考えなのか伺います。  再発防止のためには、万全な検討が必要であります。今回のトラブルを単に仙台市と三菱重工業のみで解決するのではなく、第三者の公正な立場で検証することも必要であります。市では、今回のトラブルとその解決策について、専門家に検証を依頼したようでありますが、専門家の検証の結果はどう反映されたのか、あわせて伺います。  次に、今回のトラブルによる地域環境への影響についてであります。  松森工場につきましては、整備計画が打ち出されて以来、地域の住民の方々への幾度にもわたる説明会の開催により、大方の住民の理解を得て、建設が行われたものであります。地域住民にとりまして、今回の事態は大きな驚きであり、また大きな不安を抱いての生活を余儀なくさせるものであります。再発防止は当然のことですが、今回のばいじん発生周辺地域にどのような影響を及ぼしたのか伺います。また、市長は、工場建設に理解を示してくれた住民の方々に、どのような気持ちでおられるのかお聞かせ願いたいのであります。  松森工場の全炉停止という事態は、単に工場のトラブルという問題にとどまりません。仙台市のごみ処理に支障を来すという市民生活にとって深刻な事態を招いており、このことは、仙台市の環境行政に対する市民の信頼を大きく損なうものであります。当初六月十日ごろにごみが処理し切れなくなるという予定が、さまざまな対応策により一カ月ほど先になった旨、先般公表されました。それでも、松森工場が全面復旧しない限りは、いつまでも目先の対応に追われることは明白であります。冒頭に申し上げましたとおり、徹底した原因究明と万全の再発防止策を講じた上で、一日でも早い本格稼働を求めるものでありますが、今後の対応と本格稼働へのスケジュールについてお伺いいたします。  十二年の長きにわたる市長の在任の最後に、このような事態に陥ったことは大変残念であり、市長にとりましても、市民生活に不安を残したまま任期を迎えることは避けなければならないと推察するところでありますが、最後に、一刻も早い市民生活の正常化への決意についてお伺いいたします。  次に、仙台市消防団員に関する条例の一部改正に関連してお伺いします。  まずもって、地域の防災リーダーとして、市民の生命財産を災害から守るため、昼夜を分かたず献身的な活動をしている消防団員の方々に対し、深く敬意を表するものであります。  消防団は、長い歴史と伝統を持ち、地域に根差して災害から地域の安全を守るため、地域と地域住民が営々と築き上げてきた奉仕と郷土愛の精神に支えられた組織であります。消防団の存在が、地域の安全・安心に大きな役割を果たしていることは、周知のとおりであります。  消防団の活動を見てみますと、火災や水害などの災害活動はもちろんでありますが、地域の防災訓練指導火災予防活動防火広報など、地域の中で広範な活動を展開しておりますが、何よりもまして、地震、水害、山林火災などの大規模災害にはその活動が不可欠であります。まさに地域における消防防災中核的存在として、今後とも大きな役割を果たすことが期待されているところであります。  阪神・淡路大震災の例を見るまでもなく、昨年十月の新潟県中越地震、本年三月の福岡県西方沖地震では、多くの人命、財産に被害をもたらし、改めて地震対策への取り組みに心を新たにしたところであります。  阪神・淡路大震災においては、多くの市民が倒壊した家屋などに生き埋めとなり、消防機関を初めとする防災機関救助活動を展開したところでありますが、消防団は、神戸市で九百五十八人、西宮市で二百五十七人の市民を救出するなど、地域の事情に精通した消防団は、多くの住民を救出し、日ごろからの地域に密着した活動の成果と、災害即応力の高さを見せてくれました。また、昨年頻発した新潟、福島、福井の集中豪雨、そして新潟県中越地震や福岡県西方沖地震においても、地元の消防団は地域住民の避難誘導、救助活動などに従事し、その被害の軽減に大きく貢献し、地域から改めて厚い信頼が寄せられたところであります。  本市におきましては、消防団活動における防災の役割強化のため、平成十四年に消防団に地震防災部を新設し、地域の防災訓練等での住民指導地域特性に応じた地震対策や訓練など、地震防災部を核とした地域防災活動を実施しているところであります。まさに、藤井市長がいつも話されている杜の都の地域力であります。自助、共助、公助の強いきずな、そして市民協働により築き上げてきたかけがえのないこの地域力こそが、再来が確実視されている宮城県沖地震に対する大きな力となり、備えになり、市民の安全・安心の担保になるのではないかと思います。しかしながら、近年の社会環境の変化から、全国的には消防団員数減少傾向があらわれており、地域防災力の低下が懸念される事態が生じている地域もあると伺っております。  本市におきましては、減少傾向にはないながらも、本年四月一日現在における消防団員の充足率は九一・四%で、政令指定都市の中では、さいたま市に続いて八番目の充足率となっているとのことでありますが、市街地を管轄する消防分団が、全国的な傾向と同様に充足率が低くなっており、その要因としては、少子化の進展等に伴い、従来から団員確保の対象になっている二十歳前後の男性の人口が減少していること、また、就業構造の変化等に伴い、被雇用者、いわゆるサラリーマンの入団が少なくなっていることなどが挙げられます。  総務省消防庁におきましては、これら消防団員の確保という全国的な課題に対応するため、農協職員郵政公社職員等を初め、女性などの入団促進を図るなどの施策を講じてきていますが、本年一月には、地域住民に消防団への参加を促すために、消防分団消防団員機能別役割に着目して、特定の活動、特定の役割を担任する機能別分団、団員という新たな概念の消防団像も示したところであります。  また、消防団本来の機能を発揮させるためには、団員の充足とあわせ、災害活動予防活動に即応できるよう、消防団の活性化を図ることも重要な課題の一つであります。活力あふれる消防団、文字どおり魅力ある消防団としていくには、若年層を消防団に入団させることが不可欠であります。長い目で将来の消防団員を育成していくことも必要と考えるものであります。とりわけ将来を担う小学生、中学生に、消防団活動を今のうちから周知しておくことが大切であります。例えば、学校や地域の防災訓練で団員が指導する、あるいは消防団と子供会が連携して活動するなどの取り組みなどとともに、消防団員の地域での活動が子供たちにあこがれと映り、また、伝統はしご乗り子供たちの羨望が向けられるように、あこがれる消防団に、魅力ある消防団員を実感してもらえるような活動を推進していくべきものと考えます。  本市におきましては、消防団員の確保という課題に対しまして、町内会と連携しての勧誘、メディアなどの広報媒体を活用した広報活動など、さまざまな取り組みを行ってきたと伺っておりますが、現在までの取り組みの状況と、今後どのように消防団への入団促進に取り組んでいくのか、御所見をお示しください。  次に、今回提案されております仙台市消防団員に関する条例の改正内容を見てみますと、消防団員最高年齢が、部長、班長、団員が現在の六十歳から六十五歳に、分団長、副分団長が六十五歳から六十七歳にそれぞれ引き上げられ、災害活動の主体を担う階級にある消防団員の確保が見込まれる内容となっており、災害対応力の向上が期待される改正内容となっているようであります。  本市の置かれている状況を見てみますと、宮城県沖地震が近い将来、非常に高い確率で起こると言われており、各防災関係機関がその対応力を整備しているところでありますが、本市におきましては、消防団の力なくしてこの地震に立ち向かえるとは到底考えられず、消防団の組織、活動体制の充実強化はもちろんのこと、行政と市民が協働して、宮城県沖地震に取り組んでいくことが喫緊の課題となっております。  今回の改正によりまして、切迫性が高まっている宮城県沖地震や大規模災害に適切に対応できるものと期待しているところでありますが、消防団員の確保策として、どのような理由から消防団員の定年の年齢を引き上げることに踏み切ったのか、またどのような効果を期待しているのか、お伺いします。  次に、消防団は、平常時においては、一般住宅火災を初め、山林火災や水害などの大規模災害などにおいても、地域密着性要員動員力即時対応力という特性を十分に発揮して、市民の安全・安心を確保することが求められております。今回の最高年齢の引き上げによって、消防団員の確保が図られるものと思われますが、市民の安全確保には、消防団員の確保とともに、コミュニティ消防センター小型動力ポンプ付積載車を初めとする施設装備、救助器具や個人装備などの充実、さらには消防団員の処遇改善など、魅力ある消防団とすることが重要であると考えます。  今後、切迫する宮城県沖地震から市民の生命、財産を守るため、消防団員の確保を初め、施設、装備、そして消防団員の処遇も含め、本市の消防団の活動体制をどのように充実強化していくのか、御所見をお示しください。  最後に、長年にわたり仙台市の発展と市民福祉の向上に粉骨砕身取り組んでこられた藤井市長に対し、改めて敬意を表しますとともに、深甚なる感謝を申し上げまして、代表質疑を終えさせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 5: ◯市長(藤井黎)郷湖議員の御質問にお答えを申し上げます。  御質問の最初は、三期十二年の総括と、未来へ向けた課題認識ということでございます。  私は、市長就任以来、一貫して市民とともにつくるまちづくりに専心をいたしてまいったつもりでございます。安心・安全の確保を基本としながら、常に未来に目を向けて、持続的に活力あふれる仙台の構築を市民とともに全力で進めてきた十二年でございました。  船出の時点におきましては、市政の信頼回復、この命題に対しまして極めて重いかじ取りに全力を傾注いたしましたが、幸いにもまちの誇りを取り戻そうとする市民の熱意に支えられまして、その重責を果たすことができました。また、旧来の枠組みの限界が露呈し始めた二十世紀から二十一世紀への文明の大きな転換期に遭遇をいたしましたが、市民とともに新時代の種をまき、丹念にそれを育て、花を咲かせて、その実を味わい、あるいは新しい種を得るという、こうした数々の施策や事業を展開いたしてまいりました。それらの成果は、21世紀都市・仙台を支える確かな礎となり、また未来の希望をはぐくむ潜在的な力となっておるところでございます。  とりわけ、都市の持続的な発展を支える東西線を初めとする公共交通体系の整備、またグローバル化時代における世界との直接交渉でかち取った国際都市への前進、成熟化社会において不可欠な生活要素となるであろうスポーツや文化芸術の振興、今後の都市の繁栄を支える新産業の形成などにも、一定の展望を得ることができたと思っているところでございます。  次に、未来への課題認識についてでございます。  これから迎える本格的な成熟時代におきまして、都市の自立と繁栄をいかにつくり出すか、これが問われてくることであろうかと思います。そのためには、とりわけその原動力となる市民の力が存分に発揮されるまちづくりを進めていくことが、これから一層ウエートを高めてくると考えるところでございます。  私は、市民の力を十二分に引き出すような、そうした仕組みを構築し、それを都市の総合力として最大限に発揮できるような力にまとめ上げていく、そのような都市経営の形をしっかりと確立をすることが、今後の市政の大きな課題の一つになろうと、こう考えるものでございます。  次に、未来を託す市民の皆さんへのメッセージということでございますが、私のこの十二年は、市民一人一人のこのまちへの熱い思いに支えられた成果にほかならないと考えております。同じ志を持って、ともに手を携えながら、時には目前に立ちふさがる霧の中を手探りで前進をし、また時には行く手に立ちはだかる荒波に櫓を操りながら、一つ一つ困難を着実に克服しながら、未来を切り開いてまいったところでございました。  私たちのまち仙台は、不透明な時を越えて、今や二十一世紀の時空に高く羽ばたかんといたしておりまして、その視界は大きく繰り広げられておるところでございます。こうした成果を、次の世代に確実にそのバトンを手渡しできるような状況にございますことは、ひとえに市民の皆さんのおかげであり、感謝の言葉は尽きるところはございません。  申し上げるまでもなく、あすの仙台は、市民一人一人が築き上げるべきものでございます。主体的に考え実践する市民、さまざまな主体と協力し合える市民こそが、新しい未来を切り開くことができる原動力でございます。こうした市民の存在こそが、本市にとっての貴重な財産であるとともに、市長といたしましての最大の誇りでもございます。市民の皆さんには、未来に向かって、その持てる力を十分に発揮していただきたいと、このように願うものでございます。  次は、東西線に関するお尋ねでございます。  東西線は、21世紀都市・仙台にとりまして不可欠な都市基盤であるとの一貫した認識のもとに、本市の最重要プロジェクトの一つと位置づけて、今日まで精力的に取り組んでまいったところでございます。  平成八年に整備の方針を決定して以来、議会におかれましても、長期間にわたるさまざまな審議をいただいてまいったところでございます。また、前回の市長選では争点の一つとなりましたことから、東西線の整備は市民の支持をいただいたものと受けとめまして、この四年間、事業化に向け着実に推進をいたしてまいりました。  その結果、平成十四年に国の新規事業として採択され、平成十五年には事業許可を取得し、さらにことしの四月には工事施工認可の申請を行うなど、諸手続を進めるとともに、ことし二月には関連する準備工事にも着手をすることができた次第でございます。  このように、多くの市民により、多くの段階において議論や検討の努力を重ねながら、既に着々と事業が進んでまいっているところでございまして、この段階において事業を後戻りさせるということはできないものであろうと受けとめているところでございます。杜の都という財産を基礎とし、さらに百年後を見据えた魅力ある都市像を描きながら、新たな都市の装置を築き、後世に受け継いでいくことが、現在に生きる我々に課せられた使命であると強く認識をいたしております。その都市づくりにおいて、東西線は欠くことができない都市インフラでございます。未来の仙台の姿に思いをはせながら、東西線の早期実現に向けての道筋をより確実なものとすべく、全力を尽くす所存でございます。  次に、松森工場の触媒損傷事故に関する御質問でございます。  松森工場は、市民の皆さんの生活環境に最大限配慮をするという、建設に当たっての基本理念のもとに推進をしてまいった事業でございます。今回の事態によりまして、市民の皆様、特に地域の皆さんに大変な御心配、御迷惑をおかけいたしたことを本当に申しわけなく感じておるところでございます。  第三者機関の検証をいただき、万全な上にも万全を期した改善策を取りまとめたところでございますので、これらの対策を確実に実施することによりまして、市民の皆さんの御理解をいただきながら、工場の再稼働に向け取り組んでまいる所存でございます。  また、今後のスケジュールでございますけれども、今月中にはハード、ソフト両面の対策を完了し、その後に試運転により、改善部分の機能や安全性を十分に確認をし、本格稼働に移行してまいりたいと、こう考えております。  松森工場に対する正常化への決意ということでございますけれども、この工場の全炉停止によりまして、本市のごみ処理が緊急事態に直面していることは御承知のとおりでございます。ごみの処理は、市民生活にとって欠くことのできない、最も基本的な市民サービスでございますので、今日の状況の正常化のため、松森工場を一日も早く稼働できるよう取り組んでまいる決意でございます。  なお、アメーザの設置についてでございますが、この機器はリアルタイムに排ガス中のダイオキシン類濃度を監視できないこと、また国の定める測定基準に適合しないということもございまして、今のところその設置を見合わせているところでございます。本市といたしましては、ダイオキシン類のリアルタイムでの連続測定装置の実用化について、早い時期の開発を強く期待をいたしておるところでございまして、そのあたりの動向を見据えながら、前向きに対応してまいる所存でございます。  そのほかの御質問に関しましては、関係の局長から答弁させたいと思います。  以上でございます。 6: ◯環境局長(荒井崇)松森工場にかかわる数点の御質問のうち、最初に、全炉停止に至る経緯についてお答えいたします。  まず、一号炉でございますが、三月二十八日の蒸気タービン設備の故障の復旧の過程で、不適切な運転操作や在庫管理の不備があり、焼却炉の停止による長時間の埋火状態を余儀なくされました。この間に、多量の未燃炭化水素類が触媒反応塔に蓄積し、再起動時の加熱で急激な酸化反応が起こり、触媒が損傷してばいじんが発生したため、三月三十一日、緊急停止を行ったものでございます。トラブルの最も大きな要因としては、埋火状態において発生する未燃炭化水素類の触媒に及ぼす危険性についての認識不足があったものと考えております。  次に、二、三号炉についてでございますが、三月三十一日の再起動の際に、三号炉のばいじん計が作動していなかった事実が判明したため、三号炉を点検のため停止いたしました。あわせて、異常の見られない二号炉につきましても、万全を期して設備を点検するため、停止することとしたものでございます。  続きまして、工場の改善に関する対応でございますが、局内に検討委員会を設け、三菱重工業からの報告を受け、また必要な資料提供を求めながら、事故原因の究明を行ってまいりました。そして、この原因の特定を受け、三菱重工業の提案も受けながら、二重、三重の安全策の構築という基本に立って改善策を検討し、松森工場触媒損傷事故原因調査及び改善策報告書を取りまとめたところでございます。  次に、工場の設備や運転管理の改善についての専門機関の意見についてでございますが、局内に設置しました検討委員会において報告書をまとめる過程におきまして、客観的な立場から検証いただくため、自治体の廃棄物処理施設に関し、十分なノウハウと施設検証の実績を持つ財団法人日本環境衛生センターと、社団法人全国都市清掃会議に依頼し、現地調査や運転データの分析をもとに、事故原因や改善策のあり方や有効性について、御意見、御提言をいただき、報告書を取りまとめたものでございます。  次に、地域環境への影響等についてでございますが、発生したばいじんは煙道内の付着物から推定いたしますと、未燃炭化水素類の燃焼により生じたすすでございまして、炭素が九九%以上を占めてございます。また、ばいじん及びばいじん中のダイオキシン類による周辺環境への影響を推計いたしましたところ、大気中の環境基準を大きく下回るものとの結果を得ているところでございます。  以上でございます。 7: ◯消防局長(可沼伸一)消防局所管の三点の御質問にお答えを申し上げます。  初めに、消防団員確保のための取り組みについてでございますが、テレビ、ポスター、ホームページなどによる広報活動や、公務員等に対する入団勧誘のほか、地域挙げての取り組みなどによりまして、ここ数年、本市の消防団の充足率は、ほぼ九〇%を維持してきたところでございます。  しかしながら、切迫する宮城県沖地震や大規模災害に適切に対応していくためには、引き続き消防団員の確保にあらゆる手だてを講じていくことが必要であると強く認識しているところでございまして、今後ともこれまでの取り組みに加え、地域での活動経験が豊富な幹部団員や若い団員等の参画を得まして、消防団への入団が地元で共通の話題となりますような働きかけや、自宅訪問、団員自身による勧誘など、積極的に入団促進を推進してまいりたいと考えております。  また、新たな取り組みとして、先般、総務省消防庁から示されました機能別の分団、団員制度を検討いたしますとともに、市街地を管轄する消防団への入団促進を図るため、事業所に対して従業員の入団を働きかけ、地域はもとより事業所の安全性向上にもつなげてまいりたいと考えております。  次に、定年の年齢引き上げの理由とその効果についてでございますが、就労に関する社会的背景を踏まえまして、消防団員の定年に当たります最高年齢を引き上げた場合にも、身体的には消防活動に十分対応できると認識いたしまして、切迫する宮城県沖地震に対応するために、団員確保をねらいとしたものでございます。  今回の改正によりまして、消防活動の主体を担う階級の団員の確保が見込まれますことにより、総体的な災害対応力の向上と、長年災害現場で培ってきた豊富な経験と知識を有する消防団員の活動が継続されるものと考えております。また、今回の引き上げにより、五年目以降には高い充足率が期待できるものと考えております。  次に、消防団の活動体制の充実強化についてでございます。  本市の消防団は、これまでも前回の宮城県沖地震や県民の森火災、八・五豪雨災害など、本市で発生しました大規模災害に出場し、昼夜を分かたぬ活動を展開してまいりました。  現在、本市におきましては、再来する宮城県沖地震から市民の生命、財産を守ることが市政の大きな柱の一つであり、地震発生時に消防機関は総力を挙げて対応することとなりますが、そのためには消防活動の基本となる消防団員を確保するとともに、施設、装備の充実を図り、あわせて平時から実効性のある震災対応訓練など、消防活動体制の強化を図ることが不可欠となっております。  これまでも、コミュニティ消防センター小型動力ポンプ付積載車等の施設、装備を計画的に整備いたしますとともに、消防団員の公務災害補償や退職報償金など、処遇の改善を図ってまいりましたが、宮城県沖地震が待ったなしの状況の中、市民の安全・安心を確保するために、引き続き団員の確保や施設、装備の充実、そして処遇の改善に努めますとともに、災害即応体制の強化など、消防団の活動体制を総合的に充実強化していく所存でございます。  以上でございます。 8: ◯議長(柳橋邦彦)次に、日下富士夫君に発言を許します。     〔二十九番 日下富士夫登壇〕(拍手) 9: ◯二十九番(日下富士夫)フォーラム仙台の日下富士夫でございます。議長のお許しを得ましたので、会派を代表して質疑をさせていただきます。  まず、初めに申し上げさせていただきます。私も、先月で議員活動が満十年となりました。これひとえに、先輩そして同僚の皆様の御指導のおかげでありますことから、この場をおかりいたしまして心より感謝を申し上げます。また、当局の皆様とは引き続き切磋琢磨しながら、仙台市の発展のために精進してまいる所存でありますので、今後ともよろしくお願いをいたします。  さて、四月二十五日に発生しましたJR西日本の列車脱線事故においては、百七名のとうとい命が奪われ、多数の負傷者を出す大惨事となったわけですが、亡くなられました皆様の御冥福をお祈りいたしますとともに、負傷されました皆様の一日も早い回復を願うものであります。この事故の直接の原因は、運転士のスピードの出し過ぎのようでありますが、間接的な要因としては、企業の体質や企業倫理といったものが厳しく問われることとなりました。我々としても、一企業の問題として傍観することなく教訓として受けとめることによって、お互いに緊張感を持ちながら強い責任感をもって市政運営にかかわっていくことが大切であると、改めて感じた次第であります。  それでは早速ですが、質疑に入らせていただきます。  まず、今議会の初日に、ごみ焼却場であります松森工場についての市長発言があったわけですが、本市の重要課題でありますことから、質疑の第一として松森工場の早期正常化と本格稼働への取り組みについてお伺いいたします。  私も、昨年から現地に出向きまして二回視察をさせていただいておりますが、万全を期して建設されました松森工場において、本格稼働に向けての試験運転中にトラブルが発生し、全炉停止に至ったことは非常に残念なことであります。顧みますと、松森工場については、ダイオキシン排出濃度を国の基準となる〇・一ナノグラムの十分の一の〇・〇一ナノグラムとすることで、平成十一年七月に専門家会議を設置してその可能性を見きわめられました。その後、平成十二年度予算に本体工事ほかを提案され、焼却方式等についての審議を十分行った上で我々も賛成し、現在に至った経緯にあります。松森工場は、本市のごみ処理を行う上で欠くことのできない重要な施設であります。今回の一連のトラブルによって、年度当初に予定していたはずの本格稼働がいまだにできない状況にあることは、非常に懸念されるところであります。  そこで、第一点目ですが、施工業者はトラブルの説明として、人為的なミスや予備品の管理不備を挙げているようですが、事故原因の究明はすべて完了したのでしょうか。完了しているとすれば、改善策についての第三者機関による検証は、どのように行われたのでしょうか。また、施工業者の責任はどう問われるのでしょうか。  二点目として、事故の再発防止のための万全な改善策の早期実施により、一日でも早い試運転の再開を望むわけですが、再開に当たっては地域住民の皆さんはもちろんですが、全市民の皆さんに理解をいただくことが欠かせないと思いますが、どのように考えられているのでしょうか。  三点目として、施工業者の運転管理指導不足、施工業者との連携の悪さや、危機管理不足などの問題について、施工業者任せといったことのないようにするための本市の体制について、今後どのように改善されるのでしょうか。  四点目として、本格運転の時期はいつごろになると見込んでおられるのか。また、引き渡しを受けた後は、どのような管理運営体制で臨まれるのかについてお伺いいたします。
     松森工場の焼却方式についての審議の中で、我が会派としても、当時次世代型と称されたガス化改質炉方式等の検討などについても議論を交わしてまいりましたが、結果として最も技術的に信頼性が高いということで、ストーカ方式が採用された経緯にあります。したがいまして、もちろん安全性を十分確保するための施設改善は必要ですが、人為的なミスを防ぐ体制を万全にすることによって、安定した運転ができるものと確信しておりますので、本格稼働に向けて全力で取り組まれますよう期待いたします。  質疑の第二として、本市の重要課題であります地域経済活性化による雇用の拡大についてお伺いいたします。  地域経済の活性化は、今日の我が国の景気回復を促すとともに、活力ある都市づくりを進める上での極めて重要な要素であります。特に、都市の持続的な発展を促し、生き生きとした市民生活を営む上で、地域経済の活性化による雇用の確保は、まさに避けて通れない重要な課題であります。今日、この課題に取り組むために、多くの都市において緊急経済政策と絡めたさまざまな取り組みが行われているところでありますが、このような取り組みがその都市、都市ごとの魅力や特徴に合った質の高い雇用を生み出していく、そういった起爆剤として生かされていくことこそが極めて重要であると考えております。  我が国の近年の経済状況は、バブル崩壊以降の長期にわたる景気低迷から脱却し、緩やかな回復基調にありますが、本市においてはその実感はありません。自動車産業やデジタル家電産業など、我が国の経済を支える製造業が立地している地域ではその恩恵を得ているのでしょうが、残念ながら本市を含めてそのような基幹産業が存在しない地域では、いまだ厳しい経済状況にあると言わざるを得ません。  このような中で、本市の地域経済の活性化策を展望した場合、私はこの取り組みとして最も近い位置にあると期待されるのが、とりもなおさず産学官連携による新産業創出であるととらえております。国立大学も平成十六年度から独立行政法人となり、厳しい大学間競争の中にあって、同時に地域貢献が問われてまいっておりますが、この機会に地元の大学の地域貢献がどれだけ達成されているかを厳しく見つめながら、大学の持っている技術を開拓し、その技術を確実に地域経済の活性化に結びつけていく、すなわち大学等の研究成果を活用した産業化への取り組みこそが、学都仙台にふさわしい地域経済活性化策と位置づけられるべきであると考えております。仙台市においては、このような代表的な取り組みの一つとして、藤井市長を本部長として、知的クラスター創成事業が平成十四年度より既に取り組まれております。そして、さまざまな研究開発が行われてきたわけですが、その成果が大いに期待されるところでございます。  まずは一点目として、この知的クラスター事業の進捗状況と、これまで本市としてどのような支援を行ってこられたのかについてお伺いいたします。  また、このプロジェクトは、研究開発のみならず、既に一部の研究成果も出つつあると聞いております。先般行われました五月十日の研究成果発表会に、私も参加をしてまいったところでございますが、その中で、大学発地元ベンチャーとして株式会社エムメックスが設立されたこと、また共同研究により開発されたインターネットセキュリティーツールを活用し、商品開発によってかなりの額の販売実績を目指そうとしている有限会社風土紀の活動なども紹介されておりました。まさに、事業化、産業化に向けた動きが活発になってきたことを実感したわけでございます。  そこで二点目として、知的クラスター事業の取り組みの中から、どのような成果や実績が出ているのか、その状況について具体的にお示し願います。  昨年は、東北のベンチャー企業への投資や、ハンズオン型の経営支援を行う地元密着型ファンドとして、東北インキュベーションファンドが設立されたわけですが、現在まで十四社に対し約十二億四千万円の投資が行われていると伺っております。もちろん本市もファンド設立時より出資に参加をしているわけですが、会社名が公開されているもののうち、本市からも、株式会社メムス・コアを初め四社が対象となっていることから、今後の成長を期待するところであります。  今後、重要なことは、知的クラスター事業を通じた着実な成果をより多く上げることだと思いますが、しかしながら、当事業は平成十八年度に終了する五年間の時限的事業であることを考えますと、今後どのように展開していくかが大きな課題であると考えております。地域経済の活性化を考えた場合、質の高い地域雇用の確保を目指すべきベンチャー企業の育成や、他の地域プロジェクトとの関係強化を通じた展開も重要と思いますことから、成功した事業者が次の事業者を育てていくという仕組みや、自由に相談し合えるその風土づくりについても、引き続き支援を行っていくべきと考えます。ベンチャー企業などの新産業が、地域に定着するところまで行政がきちんとかかわることによって、ぜひ仙台流の経済活性化による雇用拡大を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。  そこで三点目として、本部長でもあります市長御自身として、これまでの状況を総括し、今後の事業終了後も見据えて、どのような考えをお持ちなのか大変気になるところであります。藤井市長の御所見をお伺いいたします。  次に質疑の第三として、第八十二号議案仙台市市税条例の一部を改正する条例について、関連もあわせてお伺いいたします。  まず、今回提案された条例案の中の、個人住民税についてお伺いいたします。  先般、地方税法等の一部を改正する国の法律改正が行われたことに伴い、年齢六十五歳以上で、合計所得金額が百二十五万円以下の方に対する非課税措置が廃止され、平成十八年度から適用となるようであります。  今回提案された条例改正は、新たに均等割を課される方に対し、税率の軽減措置を講じて段階的に引き上げていくものと伺っております。  個人の所得課税については、国の税制調査会においても少子高齢化等の社会構造変化への対応等のため、国民には年齢、性別を問わず課税していくというスタンスで、さらなる見直しが図られると聞いております。  そこで一点目として、新聞等でも各種控除の見直しが報じられておりますが、今後どのような見直しが行われる予定なのか、現時点での状況と、見直しに対する本市の考え方をお示し願います。  次に二点目ですが、関連として、市民サービスレベル向上を含めた市税収入率向上のための対策強化についてお伺いいたします。  本市における市税収入は、景気低迷の長期化による企業収益の減少や地価の下落などの影響により、平成九年度をピークに六年連続して減少しており、平成十五年度の決算額は千六百九十億円と、前年度に比較し三・六%、六十三億円の減となりましたし、平成十七年度においても、千六百二十億円程度の計上となっております。  また、市税滞納額については、御当局の御努力にもかかわらず、平成十五年度で三十一億円、十五年度末までの累計額は百十億円と多額なものとなっておりますが、私が言うまでもなく対策強化の必要性を痛感されているものと思います。  三位一体改革による税源移譲は、所得税から個人住民税への移譲によって行われるようであり、来年一月からは個人所得税の定率減税が半減されると聞いておりますことから、市町村の税徴収部門の担う役割はさらに重要となることは確実であります。  本市としても、今年度から税制課と法人税務課に新たな係を設置するなどし、徴収体制を強化して取り組まれていることは評価をさせていただきますが、御存じのとおり、歳入全体に占める割合が四割に近い市税の税収率向上については、財政の健全化に直結しているわけであります。  今後、攻めの滞納対策の実践により、税収率のさらなる向上をぜひ図っていただきたいという観点から、以下数点について質疑をさせていただきます。  その一として、個人市民税、法人市民税、固定資産税その他を合わせた市税合計のこの三年間の収入率と、滞納額の推移がどうなっているのかをお示しください。  その二としてですが、十五年度の収入率を政令市で比較すると、下から三番目という結果が出ているようです。口座振替加入率は中間くらいでありながら、さほど収入率が改善されないのが実態と言えるようであります。口座振替加入率の向上はもちろん今後とも必要でありますが、まずは滞納者の事前調査を徹底して行い、差し押さえも念頭に置いて納税交渉を行うといった、段取りを十分に行っての効果的な滞納整理をきちんと行うべきではないでしょうか。  税負担の公平性の維持からも、滞納者に対する行政サービスの取り扱いの適正化についてもしっかり行っていくべきと考えるわけですが、収入率向上の取り組み状況の概要についてお示しください。  その三として、最近本市において、職員の事務処理ミスが数件発生しており、その中には、始めたばかりの軽自動車税のコンビニ収納で、納付通知書に印字ミスがあったようでありますが、これらについては担当職員のみならず、管理する立場の皆さんも十分反省していただかなければならないと思います。しかしながら、口座振替とあわせて期限内の納付率が確実に上がったコンビニ収納は、市税収納率向上と納税者の利便性向上には欠かせないものであります。したがいまして、次年度以降も継続すべきでありますし、他の政令市でも始めておりますコンビニ収納の取り扱い拡大は早期に導入すべきと思うわけですが、このことに対する再発防止対策を含めた御所見をお示しください。  その四として、効果的な滞納整理には、もちろんマンパワーも必要ですが、一方、税務システムについても常に改善が必要であります。我が会派としても、市民サービスレベルの向上と行政事務の効率化を図る電子市役所構築促進を提言してまいったところでありますが、今後個人認証方法などの諸課題はあるものの、新たにスタートしましたITアクションプランの促進によって、万全のセキュリティー対策を考慮したシステムの構築を早期に行うべきであります。  新たなシステムの構築に全庁的に取り組むことによって、市民サービスレベルの向上と同時に、市税収納率の向上についても確実に図ることができるのではないでしょうか。市民と職員の皆さんの双方にとって、使い勝手のよいシステムとして効果的に稼働させることによりまして、財政の健全化にもつながるものと思うわけですが、御所見をお伺いいたします。  質疑の第四として、第九十一号議案仙台市消防団員に関する条例の一部を改正する条例について、関連もあわせてお伺いいたします。  改正の理由は、消防団員最高年齢を引き上げるものであり、このことによって地域に必要な団員を確保し、地域防災体制の充実を図ることを目的とした提案と推察いたします。  消防団は、昨年の新潟・福島豪雨、福井豪雨、新潟県中越地震など、全国で頻発した災害においても、その組織動員力をフルに生かして、被災者の救出・救助、避難誘導など、地域防災体制の核として大きな役割を果たしておりますことは御承知のとおりであります。  幸いにも本市においては、昨年はこのような大きな災害は発生しておりませんが、平成十二年十一月に政府の地震調査研究推進本部が、今後十年以内の宮城県沖地震の発生確率を約三〇%と公表してから五年目を迎え、現時点での発生確率は五〇%程度まで達しておりますことから、極めて切迫した状況下にあります。このため、藤井市長は平成十七年度施政方針において、市政の課題の第一に市民の安全と安心の確保を挙げ、特に宮城県沖地震への備えに万全を期す取り組みを表明しておられます。  まさに消防団は、地域社会に密着し、全国各地において、災害の発生した現場などで最も力を発揮しているわけですが、本市においても、現在七消防団、五十六分団、約二千二百人がそれぞれの地域において日夜活動していただいております。このように防災にかかわる消防団の役割の度合いは年々高まっているわけですが、今回の年齢引き上げはやむを得ないとの判断はするものの、団員の募集をしてもなかなか若い層のなり手が見つからないといった悩みも聞いておりますことから、このことも年齢引き上げに至った理由の一つではないでしょうか。  したがいまして、一点目として、こうした状況を踏まえ、本市としては地域に必要な団員を確保するための効果的な施策をさらに推進するとともに、消防団員定数の増員についても検討すべきであると考えますが、御所見をお伺いいたします。  次に、二点目として関連ですが、市民の安全と安心の確保に欠かすことのできないものとして、災害時を含めての救命率の向上についてお伺いいたします。  メディカルコントロールシステムのかなめとも言える待望の仙台市救急ステーションが去る四月に開所して、現在ドクターカー出場の試行運用を行っているところですが、出場現場での気管挿管、緊急薬剤投与などにより、徐々に成果があらわれてきていると伺っておりますことから、本格運用に向けて期待をいたすところであります。また、これまでも早期導入を求めてまいりましたが、心肺機能停止傷病者の救命率向上を目指して、救急車のほかに最寄りの消防署から消防車等も出場させる、いわゆるPA連携の試行についても、この六月から始めていただきましたことについても、高く評価いたすところであります。  まずはその一として、これらの試行状況についての感触と、あわせてこれらの活動の際に、より効果的な気管挿管を行える都道府県メディカルコントロール協議会の認定を受けた救急救命士の養成については、どのようになっているのかをお聞かせください。  また、昨年から非医療従事者による自動体外式除細動器、いわゆるAEDの使用が認められたことに伴い、本市としても消防関係箇所にとどまらず、今年度中にAEDを学校や区拠点体育館及び区役所や総合支所にも導入することといたしました。  先ほどのPA連携において、消防車にAEDを積載しているわけですから、消防局内においては救急救命にかかわる隊員は、当然全員が取り扱いに熟知しているものと思います。しかしながら、学校の教員を含む防災拠点施設の職員、消防団員、地域の自主防災組織のリーダーの皆さんなどが、いざというときに使えなければ、さらなる救命率の向上にはつながらないと思います。したがいまして、消防団や自主防災組織等へのAED取り扱いの普及拡大が必要不可欠と思うわけですが、いかがお考えでしょうか、その二としてお伺いいたします。  次に入りますが、救急出場における各地から医療機関等に収容するまでの、いわゆる収容所要時間についての十六年の政令市比較では、本市は、平均時間で三十二・二分と長く、下から二番目と伺っております。現場到着までの時間は決して遅くないにもかかわらず、転院搬送の割合が突出していることなどが大きな要因となっているとのことで、出場件数三万七千二百二十四件のうち、転院搬送件数がなんと五千四百七十六件で、その割合は一四・七%と、これまた政令市の中でも非常に高くなっていると聞いて驚いたわけであります。  総務省消防庁においては、救急車の出場件数が大幅に増加している現状を踏まえて、民間事業者の活用なども視野に置いた新たな仕組みを検討することを表明しております。一一九番通報によって救急車が駆けつける消防救急の制度は、我が国の救命救急医療にとって不可欠な制度であり、この制度を生かすも殺すも、救急医療の可能な医師の確保も含め、大学や医療機関との連携が何よりも急を要する課題と思われますが、いかがでしょうか。その三としてお伺いいたします。  次に三点目として関連ですが、消防・救急業務、救急医療支援のための情報システムの高度化についてお伺いいたします。  近年、消防関連業務においても、インターネットの普及によってリアルタイムでの情報収集が可能となり、刻々と変化する災害の状況等を把握できるようになってまいりました。しかしながら、現在の本市の消防車、救急車との情報交換はというと、消防無線が主であり携帯電話が補助的な役割を果たしているのが現状であり、災害などによって市内全域が被災した場合などは、車両位置の把握や管理が困難となることから、指令業務に支障を来すことが予想されます。被災した他都市に応援を派遣する場合などは、幾ら高機能車両や優秀な隊員といえども、地理がよくわからないわけですから、なおさら活動が制限されることになりかねないと思うわけであります。  そこで、今後考えられることは、指令サイドにおいてのGPSを活用しての車両位置の把握と誘導、各車両においては、車載したディスプレイによって目的地への正確な移動を素早く行うといった、いわゆる消防ナビゲーションシステムの導入があります。当然、単なる地図情報や車両誘導機能だけでは不足ですから、現場の画像伝送や病院情報検索機能も持たせるべきでしょう。そうすることによって、救急車内の患者の状態を的確に判断することも可能となり、病院のたらい回しといったことがなくなることから、救命率も間違いなく向上するのではないでしょうか。  今、私が申し上げたことは仮想現実ではなく、似たようなことがアメリカや国内の先進都市、そして最近は東北地方においてもライフラインのメンテナンスを行う現場で実証されていることであります。したがいまして、消防・救急救命体制にとどまらず、救命救急医療体制についても確実に充実を図ることができるといった、新たな情報システムの導入を早期に検討すべきではないでしょうか。関連の最後になりますが、御所見をお伺いいたします。  最後に、藤井市長にお伺いをいたします。  藤井市長がこれまで三期連続して十二年、杜の都仙台の市長として、笑顔を絶やさず元気に、仙台市の発展のために御尽力されてこられましたことは、百万市民の皆さんのだれもが認めることだと思っております。  その十二年間において、百年後も残るであろう地下鉄東西線建設のレールを敷かれました。あす来るかもしれない宮城県沖地震の再来対策を着実に進めてこられました。大学の知的資源を生かした新産業創出も成果が見えてまいりました。スポーツ振興策によって、クラブスポーツなどのレベルが確実に向上し、今やプロスポーツのベガルタ仙台や楽天イーグルスが仙台を拠点として、シティセールスにも大いに貢献をしています。  挙げれば切がないわけですが、何よりも市民協働によって築いてきた杜の都の地域力があちらこちらで発揮されつつあることが、市長にとって一番うれしいことではないのかなと、ひそかに思っているところであります。本当にお疲れさまでした。残された期間、難題もありますが、ぜひ健康に留意されまして御尽力ください。  最後になりますが、任期満了を迎えるに当たっての、藤井市長の思いをお伺いいたしまして、私の質疑とさせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 10: ◯市長(藤井黎)日下議員の御質問にお答えを申し上げます。  最初に、松森工場本格稼働についてでございます。  本市のごみ処理の正常化を図り、市民生活への影響を回避するためには、本格稼働の早期実現が望まれているところでございます。今般取りまとめました改善策を確実に実施をし、施設の安全に万全を期すことが前提でございまして、これらの対策を今月中に完了し、七月当初には試運転を再開できるよう努力してまいる所存でございます。その後に、新たな設備の機能などを十分に確認した上で、本格稼働に移行してまいりたいと存じます。  また、施設の運営が本市の管理下に置かれる本格稼働後におきましては、各般のソフト面の改善策の徹底を図り、安全・的確な運転管理に全力を挙げて取り組む所存でございます。  次は、地域経済活性化による雇用の拡大に関連いたしまして、これまでの知的クラスター創成事業の総括と、今後の進め方に関する私の所見ということでございます。  この事業は、本市の経済政策の大きな柱の一つでございます新産業の創出という分野におきまして、実用化の核となる重要なプロジェクトでございます。私自身、これまで本部長として先頭に立って取り組んでまいりましたが、この事業に携わる皆様方の不断の御努力もございまして、製品化やベンチャー企業の創出など、着実にその成果を上げつつございます。  多くのテーマは、研究開発の段階から実用化の段階に至っておりますので、フィンランド健康福祉センタープロジェクトや、MEMSパークコンソーシアムなどの地域プロジェクトや、あるいは各関係機関との連携をさらに強化するなどいたしまして、具体的な成果が得られるよう、本市としてできる限りの支援をしてまいりたいと考えるところでございます。  さらに、中期的に取り組むべきテーマもございますことから、本事業で培いましたノウハウを地域で継承して、事業化を継続し、地域経済の活性化や雇用の創出を図るとともに、世界に誇る知的産業クラスターの形成に向けまして、全力で取り組んでまいる所存でございます。  最後に、三期十二年の思いについてということでございますが、御承知のとおり市政への信頼回復という大変重い命題を抱えての出発に象徴されますように、思いという観点からすれば、概して苦しきことのみ多かりき十二年でございました。その思いは決して排除し得ないものでございますが、しかし、何よりも市民の皆さんのお力添えやお励ましを得ながら、ようやくの思いでここまで歩んでまいることができました。感謝を申し上げているところでございます。  顧みて、最後まで多難、起伏の絶えざる道程でございましたけれども、そうした中におきましても、心の内深く食い込むような出会いや感動も少なくございませんでした。そういう意味におきまして、人々のぬくもりを数々思い知らされた十二年でもございました。多くの方々に感謝を申し上げたいという、こういう思いでいっぱいでございます。  そのほかの御質問に関しましては、関係の局長の方から答弁させたいと思います。  以上でございます。 11: ◯財政局長(笠原周二)市税に関する御質問にお答えをいたします。  個人所得課税の見直しについてでございますが、現在、国の税制調査会におきまして、負担能力に応じた課税による本来果たすべき機能の回復や、少子高齢化社会の進展等経済社会の構造変化に対応する観点から議論が行われているところでございます。サラリーマン等に適用される給与所得控除の縮小や、子育て支援のための税額控除の創設の可否等について、論点を整理した上で今月の下旬にも中間報告が出されるものと伺っているところでございます。  本市といたしましては、今後の国におけます議論を注視しながら、自主的な財政運営と税負担の公平を確保する制度となりますよう、国に対し適宜、適切な働きかけを行ってまいりたいと、そのように考えておるところでございます。  次に、過去三年間の市税の収入率の推移についてでありますが、市税全体において平成十三年度に九二・八%であったものが、平成十五年度には九三・〇%と、〇・二ポイントの上昇となっているものでございます。また、滞納額の推移につきましては、各税目とも毎年減少しているところでありまして、平成十三年度に百二十五億円だったものが、平成十五年度には百十億円まで圧縮しております。  次に、市税収入率の向上に向けた取り組みについてでございますが、これまでも進捗管理の徹底、債権差し押さえの強化等、基本となる手段をもとに重点的に徴収体制の強化に努めてまいったところでございます。また、今年度から新たにコンビニ収納の導入や、受益と負担の観点から、行政サービス提供時におけます市税完納要件の制度化等の取り組みを図ってきたところでございます。  次に、市税のコンビニ収納についてでございますが、このたび納付通知書の印字ミスによりまして、納税者の方々に御迷惑をおかけしたことを深くおわびを申し上げます。改めて複数の者によるチェックを徹底するなど、再発防止策を講じたところでございます。  今後の他の税目へのコンビニ収納の拡大に関しましては、今回期限内納付の件数に当初予想していた以上の増加が見られ、利便性の高さが証明されたことから、他都市の運用状況も参考にしながら、検討をしてまいりたいと考えておるところでございます。  次に、税務システムの再構築につきましては、ITアクションプランを踏まえ、税務事務の効率化と各種手続の電子化等による市民サービスのさらなる向上を目指すものでございます。また、同時に、使用機器を分散小型化することによりまして、運用経費の縮減をも図るものでございます。したがいまして、新たなシステムを効果的に稼働させることによりまして、税務コストの縮減、さらには財政の健全化にもつながるものと認識しておりまして、早期の実現に向けて努力をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 12: ◯環境局長(荒井崇)私からは、環境局にかかわります御質問にお答えいたします。  まず、松森工場の触媒損傷事故についての原因の究明についてでございますが、環境局内に検討委員会を立ち上げ、施設設備の点検の結果や運転データの分析により、事故の原因を特定するとともに、改善策についても検討を重ね、報告書を取りまとめたところでございます。  今回の事故原因を総括いたしますと、部品の在庫管理の不備や不適切な運転操作に端を発し、直接的には長時間の埋火状態で発生した未燃炭化水素類が触媒反応塔に蓄積し、これが焼却炉の再起動時の排ガスの加熱により、急激な酸化発熱反応を生じ、触媒の損傷に至ったものでございます。  続きまして、専門機関による検証についてでございますが、委員会の報告をまとめるに当たりましては、客観的な立場からの検証が重要と考え、財団法人日本環境衛生センターと、社団法人全国都市清掃会議に依頼し、現地調査などをもとにした事故原因、改善策等のあり方や有効性についての御意見、御提言をいただき、それらを踏まえ、最終的に報告を取りまとめたところでございます。  次に、今回のトラブルの責任についてでございますが、今回の事故は、本市への引き渡し前の施工業者の管理下で起きたものでございまして、施工業者の責任において施設、設備の改善が講じられるべきものと考えております。また、契約に基づきまして、引き渡しが遅延していることに関する責任も求めていくものでございます。  続きまして、住民の皆様への説明についてでございますが、工場の再稼働に当たりましては、事故の原因と改善策、そして本市の今後のごみ処理体制などにつきまして、地域の方々はもちろん、仙台市民全体の皆様の御理解をいただくことが重要であると考えております。  これまでも会見等を通じまして市民の皆様に御報告申し上げてまいりましたが、ほかにも市のホームページや市政だよりなどによる全市的な広報に努めるとともに、地域住民の方々には文書の配布などによりまして、重ねて御理解をいただいてまいりたいと考えております。  改善策についてでございますけれども、今般、局内に設置いたしました検討委員会が取りまとめた改善策には、報告と指示の徹底、さまざまなケースを想定した予防マニュアルの作成など、安全、的確な施設の運転管理のための、ソフト面での方策も盛り込んでおるところでございます。これらは引き渡しを受け、本格稼働に移行した後の対応としてまとめたものでございますけれども、これからの試運転期間における施工業者との関係におきましても、これらの対策をもとに的確な改善を図ってまいる所存でございます。  以上でございます。 13: ◯経済局長(五十嵐悦朗)地域経済活性化に係る知的クラスター創成事業についての御質問にお答えを申し上げます。  まず、事業の進捗状況についてでございますが、本事業は平成十四年度の着手以来丸三年が経過し、将来の情報通信ネットワーク分野における大学等の高度な技術を活用した製品の創出に向け、研究開発とその事業化に取り組んでまいったものでございます。  研究開発テーマも、発足当時の東北大を中心とする六テーマから、昨年度は他の大学、高専を含めた二十の研究機関が参加する十一テーマにまで拡大しております。また、参画企業も、地元企業十七社を含めた二十七企業にまで増加しており、事業化に向けた研究開発が鋭意進められてきているところでございます。  次に、本市の支援についてでございますが、事業運営に積極的に関与をし、事業を中心的に支えてまいりましたことはもとより、研究成果のPRや試作品の実証フィールドを提供するなど、研究開発の事業化を支援してまいりますとともに、参画する中小企業者に対しましても、事業化のためのフォローアップ助成金を交付するなど、具体的な成果の創出に向けて積極的に支援を行ってまいってきたところでございます。  次は、本事業の成果と実績についてでございますが、昨年度までに国内特許七十二件と、海外特許六件について申請いたしますとともに、論文掲載件数が九十六件に上るなど、着実な研究成果を上げてきております。また、事業化の実績でございますが、薬剤試験の分析装置などの製品化が六件、ネットワーク検証サービスなどの事業化が三件、さらに大学発のベンチャー企業が一社生まれるなどしています。特に、昨年あたりから事業化が加速されてきているものと認識をいたしておるところでございます。  以上でございます。 14: ◯消防局長(可沼伸一)消防局に係る数点の御質問にお答えを申し上げます。  初めに、消防団員の確保につきましては、全国共通の課題となっているところでございまして、本市におきましても切迫する宮城県沖地震や大規模災害等に対応するため、地域の理解を得ながら、さまざまな施策を推進してまいりました。今後とも新たな形態である機能別消防団員制度等、効果的な施策の活用などによりまして、引き続き消防団員の確保に努めてまいりたいと考えております。  また、消防団員の定数の増員につきましては、今般、総務省消防庁から、市町村が消防力の整備を進める上で目標となります消防力の整備指針が示されましたことから、今後、本市に必要な消防団員数を精査いたしまして、適切に対応してまいりたいと考えております。  次に、ドクターカー及びPA連携の試行状況についてでございますが、ドクターカーにつきましては、四月十一日の試行開始から現在まで二十一件の出場があり、二名の方が生存入院していることから、導入目的の一つであります医師の直接的救命効果があらわれたものと認識しております。また、PA連携の活動につきましては、六月一日の試行開始から現在まで二十件の出場があり、消防隊の救護能力を生かした連携活動を行っているところでございます。  気管挿管が行える救急救命士の養成につきましては、平成十六年度から養成を開始いたしまして、昨年度は十三名の救急救命士が気管挿管実施の認定を受けており、今年度は十名以上を養成する予定でございます。  次に、消防団や自主防災組織等に対するAED取り扱いの普及拡大についてでございます。本年四月から応急手当カリキュラムにAEDの取り扱いを加え、救命講習会を実施しているところでございます。今後、すべての消防団員がAEDの取り扱いができますよう、計画的に訓練を行ってまいりますとともに、自主防災組織等におきましては、防災訓練や研修会などさまざまな機会をとらえ、その普及拡大に努めてまいりたいと考えております。  次に、医療機関との連携についてでございますが、現在の消防救急制度を効率よく運用していくためには、大学や救急医療機関との連携を強めていくことが最も重要な課題であると認識をいたしております。このため、本市といたしましては、病院群当番制や、小児科救急対応の病院群輪番制、さらに救急隊が病院に収容を依頼する直接コールなど、さまざまな取り組みを行ってまいりました。  今後とも救急担当医の確保を含めまして、東北大学や市内関係医療機関との相互理解と連携のもと、体制の充実に努めてまいりたいと考えております。また、一方で御指摘のとおり、増加する救急需要を踏まえての民間活用など、新しい動きもございますことから、現在行われております国の検討会を注視しながら、適切に対応してまいりたいと考えております。  次に、新たな情報システムの導入についてでございます。御指摘の車両の動態管理が可能な消防ナビゲーションシステムや、消防活動に必要な情報を画像などで伝送することのできる情報ネットワークシステムなどは、本市におきましても、今後の消防救急業務実施体制の充実に必要不可欠なものであると認識をいたしております。  本市の総合防災情報システムにつきましては、平成三年に整備し、現在、更新整備を実施しておりますが、今後、消防・救急無線のデジタル化への移行時期をとらえ、さらに通信技術の進展などを注視しながら、どのようなシステムが本市にとって最も適しているか検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 15: ◯議長(柳橋邦彦)この際、暫時休憩いたします。
        午後二時四十二分休憩          ────────○────────     午後三時一分開議 16: ◯議長(柳橋邦彦)休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、赤間次彦君に発言を許します。     〔四十二番 赤間次彦登壇〕(拍手) 17: ◯四十二番(赤間次彦)自由民主党の赤間次彦でございます。議長のお許しをいただきましたので、提案されている議案に関連し、また松森工場について質疑をいたします。  藤井市長仙台市長に平成五年八月に就任されて、間もなく丸十二年という歳月がたとうとしております。この十二という数字については、我が国では十二支をいう言葉が時代を超えて定着しておりますが、それは日時、年、方位などをあらわす呼称であります。市長は、その一巡をもって次のリーダーにこの仙台の未来を託そうと決意されました。為政者たる者、必ず心残りというものはあると思いますが、引退の美学のようなものを感ずるところであります。これまでの市政への御尽力に対しまして、冒頭、心から感謝と敬意を表する次第であります。  平成五年以来の藤井市政を振り返りますと、一貫して自立と協働の旗を掲げられ、そのことに真摯に取り組んでこられた十二年であったと思います。地方分権新時代の大きな流れの中で、この自立や協働といった言葉は、今や各都市が競ってまちづくりの根底に据える理念であり、あるいはそうした社会の形成を目指すものとなっております。元来、藤井市長まちづくり哲学の神髄として存在していたものであろうと思います。改めてその先見性に深く感銘をいたすところであります。  藤井市長は、明治維新、戦後復興以来の時代の大きな転換期に、景気後退、低迷の時期が長らく重なり、恐らく仙台市政の歴史においても最もかじ取りの難しい時期の一つに遭遇されたのではないかと思います。この難局を無事乗り切ってこられた見事な政治手腕には、だれもが大きな賛辞を述べることができるものと考えるものであります。私も市民の一人として、十二年間、市長が藤井黎さんであったことに誇りを持っているものであります。  さて、昨年来、議会においても何度か引き合いに出されましたが、各種調査において本市のイメージが相当上位に評価されているということは、大変うれしいことであり、先人から継承してきたさまざまな杜の都の努力の所産をさらに発展させながら、藤井市長が先頭に立って、そのスタート時に余儀なくされた汚名を払拭し、この間進めてこられたまちづくりは、トータルとしてはもちろん合格点、しかも高得点が与えられるべきものと思います。  しかし、詳細に見てまいりますと、公共交通基盤と産業経済、雇用については、まだ弱さを持つものと言わざるを得ないのが現実ではないでしょうか。前者については、藤井市政の大きな成果の一つでもございますが、いよいよもって地下鉄東西線の着工というところにたどり着きました。その完成により、本市の大きな飛躍が待っているものと確信いたしております。一方、後者であります、これから申し上げますことは、新産業創造、産学連携、フィンランド健康福祉センタープロジェクト等々、産業経済政策の戦略化が功を奏したと評価する側面を否定するものでは全くございません。新しい活力をつくり出したこれらの足跡は、今後の仙台の推進力となるもので、後世の歴史に残る偉大な財産であります。  しかし、今日の本市に真に問われておりますのは、産業政策の戦略化もさることながら、市全体の中での産業経済政策のありようなのではないでしょうか。市外には拡大したかもしれませんが、内側にはどうかということであります。うがったような表現かもしれませんが、政策の主流から外れた感のある中小の製造業や地域の商業、農林業など、それらの行く末に懸念を禁じ得ないのであります。中枢都市といえども、産業構造に厚みのない都市はいずれ埋没しかねないと思います。外から新しい血を入れることも大事でありますが、地域固有の資源を大きく育てるということに、もっともっと力を入れていいのではないかと思います。それこそが藤井市長の言われる杜の都の地域力を最大限に発揮するということではないのか、そう思うのであります。  このことは翻って、これからの都市政策全般に言えることかもしれません。未来において我がまち仙台が一層輝きを増すためには、こうした本市自体の足腰を強化する視点をおろそかにしてはならないと思います。ただいまあえて申し述べさせていただきました点も含め、市長は、これまで取り組んでこられたまちづくりについてどのように総括しておられるのか、御認識をお伺いしたいと思います。あわせて絶えず二十一世紀都市の構築を目指してこられた藤井市長は、次の時代、そしてその時代を担う市民の方々に対し、どのような期待を抱いておられるのか、ぜひお聞かせください。  次に、松森工場の件につきましてお伺いいたします。  既に、今回のトラブルの経緯や原因については、六月一日の松森工場での経済環境協議会における三菱重工業による説明や、当局による原因究明報告などにより、大部分が明らかになっているところであります。事故に至った経緯の中で、特に注目すべきは、在庫管理の不徹底、運転操作ミス、埋火状態で発生する炭化水素ガスの危険性に対する認識の欠如などが重なった事故であるという点であります。清掃工場とは非常に特殊なプラントであり、そのために設計、施工を一括発注とし、加えて性能発注という、業者の方を信頼した発注方式を採用して建設に着手されたものと理解しております。今回のトラブルは、こうした信頼を危うくするものであり、徹底した原因究明再発防止策が必要であります。市当局にも二度とこのようなことが起こらないよう、真剣な対応が求められるところであります。  六月一日の松森工場での経済環境協議会において、三菱重工業側の説明により、何点もの人為的ミスなどの報告がありましたが、当局においてはこうしたトラブルの原因をどのように評価しているのか、お伺いいたします。また、設計上の問題についてどのような御見解を持っているのか、あわせてお伺いいたします。  動かすのは人間であり、たとえ熟練者による操作であろうともミスは想定しなければならないものでありますが、まずはミスを起こさないよう未然に防ぐ方策を講じなければなりません。三月三十一日のトラブルからはや二カ月半がたとうとしております。この間、さまざまな改善策について検討がなされてきたものと思いますが、報告された人為的ミスについてどのような防止策を打とうとしているのか、お伺いいたします。  また万が一、人為的ミスが再び起きてしまった場合でも、今回の事態に至らない改善策もまた必要であります。私は、そのような場合に備え、期待した性能が万が一の場合にも必ず維持することができるよう、施設の改善も必要と考えるものでありますが、当局においてどのような具体の施設改善を考えているのか、あわせてお伺いいたします。その上で、松森工場の一刻も早い運転再開と本格稼働が求められますが、具体的な日程の見通しが立っているのか、また、稼働は三炉同時と考えているのか、お伺いいたします。  今回のようなトラブル市民生活にいかに深刻な事態を招くかは、現在の状況が雄弁に物語っております。私は、自分の選挙において、この施設が小鶴工場の次の施設として、百万市民の健全な生活のために必要な施設であると地域の人々に訴えた一人として、大変残念な思いでありますが、再発防止に向けた改善策を徹底し、今後二度とこのようなことを起こさない施設とすることが何よりも大切と考えます。市長に設置者としての行政の責任を果たす決意についてお伺いいたします。  次に、ごみ処理の周辺自治体との協力についてお伺いいたします。  今回の松森工場トラブルに伴い、周辺自治体からの申し出、あるいは本市からの依頼により、少なからぬ量のごみ処理が他の自治体の協力のもとに行われることになりますし、もう始まっているようです。また、松森工場の施設規模の決定には、平成十一年の宮城県ごみ処理広域化計画が策定された折、本市の処分場が富谷町の石積地区に立地することや、富谷町の施設の老朽化のこともあり、一定の負担を条件に焼却処理の共同化を図ることになったと認識しております。今回のようなトラブルの時だけではなく、震災ごみの処理など、今後のごみ処理の広域的な協力体制の構築は、大変重要な課題であると思います。市長は、この緊急事態での周辺自治体の協力を踏まえ、この点に関しどのようなお考えかお伺いします。  次に、第八十二号議案仙台市市税条例の一部を改正する条例に関連して、三点ほどお伺いいたします。  最初にお伺いいたしますのは、個人住民税についてであります。先般の税制改正に伴い、年齢六十五歳以上で合計所得が百二十五万円以下の方に対する非課税措置が廃止され、新たに均等割を課される方に対し税率の軽減措置を講ずるものと伺っております。個人の所得課税については、少子高齢化の進展などの社会経済構造の変化への対応や、幾度かにわたる減税の結果、主要国との比較において、税負担が極めて低くなっている現状を踏まえ、本来果たすべき機能の回復に向けて見直しが行われているところであると承知しておりますが、今回の改正の背景と具体の内容、さらには影響についてお伺いいたします。  次に、徴収対策についてであります。  本市の市税収入は、ピークであった平成九年度の約二千億円弱から減少の一途をたどり、三百億円余りの減収となっております。また、三位一体改革の道筋もいまだ不透明な部分もあり、地方交付税を含めた歳入環境は極めて厳しい状況にあると思われます。さらには、三位一体改革の一環として、今後、国税から地方税に三兆円規模の税源移譲も行われる予定であります。そのような中、市税に係る徴収対策については、現在までさまざまな取り組みがなされていると認識しておりますが、具体の取り組みとその効果についてお伺いいたします。  三点目は、今年度の市税収入見込みについてであります。  いまだ厳しい歳入環境の中ではあるものの、政府の経済見通し等を見ますと、景気について東北地方はまだまだ厳しい状況のようですが、全体としては少しずつ明るい兆しが見えてきている状況のようであります。新聞報道等によりますと、東京都における今年度の税収見込みは、法人関係税を中心に三千億円程度の増収を見込んでいるようでありますが、今年度の本市の市税収入についてどのように見込んでおられるのか、また今後の展望についてもお伺いいたします。  次に、第八十一号議案平成十七年度仙台市一般会計補正予算のうち、鶴ケ谷第一市営住宅団地再整備推進事業に関連してお伺いいたします。  まず、本事業の対象となる鶴ケ谷第一市営住宅は、戸数一千戸を超える本市でも最大規模の市営住宅団地でありますが、昭和四十年代当初に建設されているため、狭い住宅が多く、また近年は老朽化が進んでいることから、居住環境を改善するとともに、多様なライフスタイルに対応した住宅の供給が求められておりますし、また、市営住宅を含む鶴ケ谷地域全体の高齢化率は二四%と、本市平均一五%を大きく上回っており、こうした高齢化の進行により、地域のさまざまな活動に対する活力が低下している状況にあるのではとも思われます。  本事業は、市営住宅の建てかえにより、市営住宅自体の良好な居住環境を確保することが重要な目的ではありますが、それとともに市営住宅の建てかえを契機に、地域活性化につながる総合的な取り組みを図り、鶴ケ谷地区全体の再生にいかに寄与していくかが大きなテーマであると思います。本市のまちづくりにおいては、昭和三十年代から四十年代に整備された既成市街地、いわゆるオールドタウンの再生は重要な課題であり、本事業においても市営住宅の建てかえ事業だけではなく、市民センター等の地域施設の整備などもあわせて計画していると聞いております。本事業が今後の鶴ケ谷地区のまちづくりに与える影響は極めて大きいものと考えますが、こうした観点から本事業の目的と計画の概要についてお伺いいたします。  市営住宅に関する二点目として、補正予算の内容は、本事業を民間活用方式で進めるためのアドバイザリー業務の委託を行うものと聞いております。このように、民間の活力を幅広く活用し、効果的、効率的な公共施設の整備や公共サービスの提供を行うとともに、本市の保有資産を生かしつつ民間施設の立地を誘導していくことは、行財政改革の観点からも当然必要なことであり、本事業について従来の事業方式とは異なり、市営住宅を含む公共施設の整備について民間活用方式を基本として事業を進める方針とのことでありますが、この方式を本事業に採用した理由と具体的な内容についてお伺いいたします。  この項目の最後に、本市全体の市営住宅についてお伺いいたします。  本市で管理する三十二団地、約九千四百戸の市営住宅の中には、鶴ケ谷第一市営住宅と同様に、あるいはそれ以上に老朽化が進んだ狭小な住宅や、バリアフリー化されていない住宅があり、こうした市営住宅についても、地域のまちづくりとの連携や、入居者が安全に安心して生活できるような環境づくりの観点から、できる限り早期に建てかえなどを行うことが必要であると考えております。また、本市の市営住宅の多くは、昭和四十年代に建設されたものであり、一斉に更新時期を迎えることから計画的な取り組みが求められると思いますが、その際には建てかえるだけではなく、既存のストックも有効に活用しながら取り組むことが重要と考えます。そこで、市営住宅全体について、今後どのような方針で建てかえなどの取り組みを行っていくのかお伺いいたします。  次に、第八十九号議案都市公園条例の一部を改正する条例に関連し、公の施設のあり方についてお伺いいたします。  今回の条例改正は、野球場、庭球場、キャンプ場などの有料公園施設については、指定管理者がその有料公園の部分だけではなく、有料公園施設を含む公園の一部または全部をあわせて一体的に管理できるようにするものであり、これは効率的な公園管理ということに加え、指定管理者の創意工夫によって公園全体を魅力ある空間として活用していくという意味からも必要であると認識しているものであります。  公の施設の指定管理者制度は、平成十五年九月の地方自治法改正によって創設され、本市はこれを受けて指定管理者制度の導入を定め、外郭団体等に管理委託を行ってきた対象施設のすべてについて、平成十六年四月に指定管理者制度に移行させるとともに、以後民間事業者などの参入を見込むことのできる施設から、順次指定管理者を公募し、選定を行ってきたものと理解しております。  行政の分野においても規制緩和が進み、従来、地方自治体や公共的団体のみに限られていた領域においても、民間事業者がそのノウハウを生かして活動の場を広げていくことは、経済の活性化やそれを通じた税収増のためにも必要なことであり、今後とも指定管理者制度を有効に活用していかなければなりません。これまで本市では、既に管理を委託していた公の施設にこの制度を導入してきましたが、制度本来の趣旨にのっとり、これらの施設の管理者を公募していくことはもちろん、今後はまだ指定管理者制度を導入していない施設についても、国に言われるまでもなく、その管理のあり方をみずからが検証し、市民の皆様に明らかにするとともに、制度を導入する施設の拡大を図っていく必要があると考えますが、御所見をお伺いします。  以上、恐らくは藤井市長に対して我が会派からの最後となります代表質疑を展開させていただきました。  任期を全うされ、その後は一市民として、この仙台の希望と可能性にあふれた活力のみなぎる未来の創造に向けて、新しい視点で御活躍いただけるものと確信しております。私たちがさまよえるとき、悩めるとき、これまでの経験から大きなヒントをいただけるものと御期待をいたしております。  改めて藤井市長のこの十二年の確かな歩みに対し感謝を申し上げ、私の代表質疑を終えさせていただきます。  御清聴まことにありがとうございました。(拍手) 18: ◯市長(藤井黎)赤間議員の御質問にお答えを申し上げます。  最初の御質問は、これまでのまちづくりの総括についてでございます。  総じて申し上げれば、市政の信頼回復という重要なテーマへの取り組みに始まり、二十一世紀都市の基礎づくり、そして自立と協働の都市づくりへと歩んでまいりましたこの十二年間、私たちは、仙台のまちに数々の価値を見出し、そしてそれらを磨き上げ、多くの新しい価値をつくり出すことができたと思っております。例えば、都市の持続的発展を支えます東西線の建設がそれであり、また学都の知財を生かしたフィンランド健康福祉センタープロジェクト取り組み、これなどもその一つであろうかと存じます。  もちろん、都市の活力を高めていくためには、なお一層、地域固有の資源を磨き上げて、新たな価値の創造に努めてまいらなければなりません。特に、地域の活力が都市全体の活力を左右するこれからの成熟時代におきましては、地域を起点とした施策の展開が一層重要になっていくものと考えます。  そのような意味におきまして、これまでもまちづくりの基本に据えてまいりました自立と協働の理念と、これを体現する主体でございます地域力の醸成に市民とともに取り組んできた道のりには、確実な手ごたえを感じているところでございまして、これらが根づいたこの仙台のまちは、未来に向かって確かな歩みを続けていくに違いないと、このように考えておるところでございます。  関連いたしまして、次代を担う市民への期待ということでございます。  これから迎えようとする成熟時代は、人口減少など社会的活力の低下が危惧される中におきまして、質的充足の追求と新たな活力の創出が求められる時代でございまして、同時にまた公共サービスの担い手も従来の枠組みを超えて大きく変化し、市民力、地域力が求められる時代になっております。その意味で、市民的活力こそが都市の盛衰を大きく左右する要素になり得ると考えております。  市民の皆さんには、みずからが市政の主役であることを再認識をいたしていただき、さまざまな主体と連携、協力しながら、新鮮で英気みなぎる新しい風を巻き起こしてほしいと願っております。市民はその持てる力を存分に発揮することによりまして、希望に満ちた活力ある未来を、みずからの力でたぐり寄せることができるものと、このように確信をいたすものでございます。  次は、松森工場にかかわる御質問でございます。  松森工場の建設は、市民の皆さんの生活環境に最大限配慮するという決意のもとに推進をいたしてきた事業でございまして、今日の状況はまことに残念な事態でございます。  今般、万全な上にも万全を期した対策を取りまとめましたので、これらを確実に実行し、市民の安全・安心を確かなものとしながら、工場の再稼働に向けて取り組んでまいる所存でございます。  運転再開の日程でございますが、六月末までにハード・ソフト両面の対策を完了いたしまして、七月当初には三炉同時に試運転を開始したいと考えております。その後、新たな施設設備の機能や安全性を十分確認した上で、本格稼働に移行してまいりたいと考えます。  次に、ごみ処理の広域的な連携、協力についてでございます。  本市のごみ処理の緊急事態に対し、周辺自治体から快く御協力を賜りまして、深く感謝申し上げているところでございます。御指摘のように、松森工場の建設に当たりましては、ごみ処理の広域化という観点も踏まえて計画を策定した経緯がございますし、また、震災時等のごみ処理におきましては、自治体の枠を超えた協力体制が必要と考えております。  震災等災害時の協力体制につきましては、昨年七月に宮城県北部連続地震における震災ごみの処理の事例なども踏まえまして、災害時における市町村相互応援協定が締結されたところでございまして、この協定に沿って協力体制の構築を図ってまいります。  ごみ処理は、市民生活にとりまして不可欠な最も基本的な行政サービスでございますので、今後今回の緊急対応のようなケースを含めまして、一層の広域的な連携体制の構築に向けて取り組んでまいる所存でございます。  そのほかの御質問に関しましては、関係の局長から答弁いたさせます。  以上でございます。 19: ◯総務局長(山浦正井)公の施設の管理のあり方についてのお尋ねにお答えを申し上げます。  公の施設の管理に当たりましては、当該施設の設置目的やその性格に応じまして、最も適切なサービスをより効果的に提供できる能力を持った担い手が行うというのが基本であろうというふうに認識をしております。このような考えに基づきまして、本市では従来より管理運営を委託しておりましたすべての公の施設につきまして、指定管理者制度の導入を決め、これらの施設の中でも民間における受け皿の状況等も勘案しながら、順次、公募を進めてまいったところでございます。  今後、本市の設置する公の施設全体につきまして、運営内容と費用の両面から御指摘をいただきました検証を進めまして、指定管理者制度を導入する施設の拡大や、管理者の公募のさらなる推進に向けまして、鋭意取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 20: ◯財政局長(笠原周二)市税に関する質問にお答えを申し上げます。  まず、高齢者に対する非課税措置の廃止につきましては、社会構造が急速に変化する中、現役世代と高齢者間の税負担の公平を確保するために、国の税制調査会の答申などを踏まえ行われたものであります。  条例改正の内容でございますが、高齢者に対する個人住民税の非課税措置が平成十八年度から廃止されることに伴って、新たに均等割を課されることになる方に対しまして、二カ年の軽減措置を講ずるものでございます。  また、影響につきましては、約一万二千人の方が新たに課税されるものと予想され、収入につきましては初年度であります平成十八年度に一千二百万円程度、平年度化いたします平成二十年度で約三千六百万円程度を見込んでいるところでございます。  次に、市税の徴収対策についてでございますが、早期かつ確実な着手、財産調査の徹底、差し押さえを中心とした滞納整理の三点を重点的に進めておりまして、特に確実な収納に結びつきます債権の差し押さえにつきましては、最近力を入れているところでございます。  また、体制面では、担当職員の実務指導を行う国税のOB嘱託職員の採用、財産調査の補助的業務を行います臨時職員の活用などによりまして、徴収体制の強化を図ってきているところでございます。これらの取り組みによりまして、収入率の向上と収入未済額の圧縮について着実な成果が図られているところでございます。  次に、今年度の市税収入額についてでございますが、今年度の当初予算額といたしまして一千六百二十二億円を計上しておりまして、昨年度の決算見込み額と比較いたしまして、二十億円程度の減収と見込んでいるところでございます。これは主に、課税の基礎となります給与所得額の減少や、企業収益の改善のおくれ、地価の下落等によるものでございます。  また、今後の展望でございますが、景気に関しましては、本市におきましては足踏み状態が続いております上に、地価の下落傾向や十八年度固定資産税の評価替えに伴います減収が見込まれることから、今後の市税収入につきましても依然として厳しい状況にあるものと、このように認識をしているところでございます。  以上でございます。 21: ◯環境局長(荒井崇)松森工場にかかわる数点の御質問にお答えいたします。  最初に、事故の原因についてでございますけれども、不適切な運転管理や重要な予備部品の在庫管理の不備に端を発し、焼却炉の長時間の埋火状態で発生しました未燃炭化水素ガスが触媒の中に蓄積、これが再起動時に急激な酸化発熱反応を起こしたことによるものでございます。このような事故の要因といたしましては、人為的なミスもございますが、埋火状態において発生する排ガスが触媒反応装置に及ぼす危険性について、認識が不足していたことが第一に挙げられるものと考えております。  続きまして、設計上の問題についてでございますが、未燃炭化水素ガスの触媒内での酸化反応の危険性について十分な認識を持ち、慎重な運転に徹していれば事故の回避は可能であったと考えているところでございます。そのため、安全、的確な運転管理を改めて確立するとともに、そのバックアップシステムといたしまして、炭化水素ガスの燃焼装置の設置や、触媒反応塔内の異常を検知するための設備の追加など、施設設備の改善も行い、安全・的確な工場の運営が一層確実なものとなるよう取り組んでまいる所存でございます。  続きまして、人為的ミスの防止策についてでございますが、焼却炉の停止・再起動に係る安全、的確な運転手法を定め、また運転操作を誘導するガイダンスやマニュアルを整備するとともに、これらが徹底されるよう職員の研修や教育・訓練にも取り組んでまいります。また、マニュアルによってすべてが解決するものではないとの認識に立ちまして、緊急時において状況に応じた適切な判断が行えるよう、情報の伝達や指示体制のシステム化も図ってまいる所存でございます。  以上でございます。 22: ◯都市整備局長(保科学)私からは、鶴ケ谷第一市営住宅団地再整備推進事業に関する三点の御質問にお答えいたします。  まず、事業の目的と計画の概要についてでございますが、この事業は狭小で老朽化した市営住宅の居住環境を改善するとともに、鶴ケ谷地域の方々が安全・安心に生活し、かつ、利便性の高い環境が形成され、さらには地域の方々の交流が促進されるよう、鶴ケ谷地域の再生に寄与する拠点づくりを進めることを目的といたしております。  こうした目的を達成するために、平成十九年度から二十五年度までの期間で、多様なライフスタイルに対応し、バリアフリー化した七百戸の市営住宅を建設するとともに、市営住宅の高層化等によりまして生み出す土地に、市民センターや児童館、中央広場などの公共施設を整備し、また民間の福祉施設や住宅、商業施設などを誘導するものでございます。  次に、民間活用方式を採用した理由とその具体的な内容についてでございます。今回採用する民間活用方式の具体的な内容は、建設費は市が確保した上で、設計、建設、維持管理を一体として民間が行うこと、本市が示す整備水準に基づいて具体の整備内容を民間事業者にゆだねること、さらに長期にわたって契約すること、これらが主な内容でございます。  これによりまして、設計、建設などを個別に、かつ、細かい仕様を定めて発注、契約する従来の事業方式に比べまして、民間事業者がノウハウを活用しやすいこと、相当のコスト削減が見込まれること、また、設計から維持管理までをトータルにとらえることで質の高い公共サービスが提供できることなどが、この方式を採用した主な理由でございます。  三点目の市営住宅全体に対する今後の方針についてでございます。建築後おおむね三十年以上を経過している市営住宅につきましては、その構造や老朽度などを総合的に判断し、計画的に建てかえや改善に取り組んできたところでございます。今後とも建てかえなどが必要な団地につきましては、御指摘の視点も踏まえまして、できるだけ早期に具体の方針を決定し、事業を進めてまいりたいと考えております。  また、人口の推移や高齢化の進展などを踏まえまして、改めて公的住宅の需給バランスを検証するとともに、それらに基づきながら、民間による整備を含めた公的賃貸住宅の供給のあり方について検討してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。          ────────○──────── 23: ◯議長(柳橋邦彦)お諮りいたします。本日の会議は、この程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 24: ◯議長(柳橋邦彦)御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、本会議は、明日定刻再開の予定であります。  本日は、これをもって延会いたします。     午後三時四十分延会...